学位
博士(学術)
主な授業科目
食品科学、農と食の健康論
学会 等
日本医療・環境オゾン学会理事、日本機能水学会理事、ヘルスケアプランナー検定協会理事、日本リスク学会/リスク教育タスクグループ副代表
研究テーマ
1. オゾン水(機能水)の食品への利活用に関する研究
酸素3分子から成るオゾンは、その強い酸化力によって高い除菌、消臭効果を有しています。しかも、分解し易く、分解しても酸素となるだけなので、環境負荷が極めて低い物質です。このオゾンを水に溶解、あるいは水を電解してオゾン水を作ります。オゾン水は、種子、栽培時だけでなく、収穫後の野菜や果物の保存期間を延長したり、カット野菜やカットフルーツの加工などに利用されています。
このオゾン水の除菌効果を数値化したり、評価法の制定に取り組んでいます。また、収穫後野菜へのオゾン利用による成分変化や、保存食品へのオゾン水利用など、主に食品を対象として、オゾン水の利活用法を検討しています。
2. 見落とされがちな感染症リスク
2014年の花火大会で販売された冷やしキュウリを原因として、静岡では初めての大規模な大腸菌O157集団食中毒が起こりました。大腸菌はそもそも動物の大腸に常在する細菌ですが、なぜ野菜を原因とした食中毒が引き起こされたのでしょうか? 衛生学では、エビデンス(根拠)を元に、この原因を追究します。
また、日本リスク学会/リスク教育タスクグループの一員として、リスク教育手法、アクテビティ、評価手法を手掛けています。
3. 途上国における自動車廃蓄電池の廃棄とこれによる重金属汚染がもたらす生態影響(他大学との共同研究)
日本から輸出される中古自動車は、輸出先の国で環境汚染を引き起こす原因にも成り得ます。日本は、中古自動車とともに、金属やバッテリーなどの資源だけでなく、環境問題をも輸出していると言えるでしょう。これら資源の遷移ルートを追跡しつつ、モンゴル国における疾患と農畜水産、食品、ヒトや愛玩動物の健康影響を調査してきました。今後は、経済成長の中にある国々でも、同様の調査を行っていきたいと考えています。
4. 大規模土壌洗浄、水処理に関する研究
1990年代から、ベトナムやインドネシアを中心に、水産養殖に利用する海淡水および排水の処理法の研究を行ってきました。2011年の東日本大震災の後、海外企業と協力して、大規模な土壌洗浄や排水処理法の検討を行っています。
5. サイエンスコミュニケーション能力育成
若かりし頃、自分自身の講義スキル向上を目的として、当時の同僚とともに、静岡科学館などで科学イベントに参加したり、自分たちで開催したりしてきました。現在では教える側にも回る事もありますが、科学コミュニケーション能力が落ちないよう、可能な限り参加しています。
また、既存の科学手法を利用するだけでなく、コミュニケーションツールの開発も行っています。
みなさんは、大学に何を求めて進学されますか?
座っているだけで身につくことは限られています。
これまでの「勉強」という名の受身の作業から、自主的に学習することを知ってください。楽しいですよ。
大学は、結果より過程を学ぶ場所です。失敗から大きな学びが得られることがあります。ケアレスミスに気を付けて、どんどんチャレンジしてください。