学位
博士(農学)
主な授業科目
情報処理基礎、家畜衛生学
所属学会
日本畜産学会、日本養豚学会
“良質な生産物”のその先の“価値・美味しさ”へ
多くの学生が関心を寄せるのは、園芸作物(野菜・果樹・花き)や家畜をどのように育てるか――いわゆる「生産現場」の工夫や改善です。しかし、現在の農畜産業では、品種改良や生産技術の発展により、農畜産物の品質水準は大きく向上し、かつてに比べ、天災など特別な事情がない限り、今ではほとんどの生産者が一定水準以上の品質の高い生産物を提供できる時代となっています。
多くの生産者が“良いもの”を生産できるようになったことで、差別化――いわゆるブランド化はますます難しくなり、銘柄の乱立も起こっています。
では、その中で、どう生き残っていくべきでしょうか。
農畜産物が消費者の手に届くまでには、「流通」や「保管」といった生産現場の“その先”の段階があります。この部分には、まだ十分に活かされていない“価値”や“美味しさ”を高めるための工夫の余地が数多く残されています。
乱立する銘柄の中から抜きん出た農畜産物を生み出すためには、栽培や飼育管理技術だけでなく、こうした流通・保管の過程にも目を向ける必要があります。
私は畜産物を中心としながらも、農畜産物全般を対象に、消費者に「より良い状態」や「さらなる美味しさ」を届けるための流通・保管技術、マーケティングや流通戦略の研究に取り組んでいます。
「作る」から「届ける」まで――。
“食”の価値を広げる、新しい発見を一緒に追求してみませんか。
専門職大学の魅力は、生産現場での実習を通じて、実践力を身につけられることです。この経験や取得した資格は、社会に出る際の大きな強みとなりますが、時間が経つにつれて、他大学を卒業した同僚とその差は次第に小さくなっていきます。
だからこそ、私は学生の皆さんには「自分だけの経験」を積むこと、そして「自分の芯をつくること」を大切にしてほしいと考えています。
現場経験や資格の取得だけでなく、国内外のさまざまな現場に足を運び、多様な人と出会い、自分の視野や価値観を広げることが、大学時代には重要です。
私自身も、国内外での現場経験を通じて多くの学びと新しい視点を得てきました。
授業や実習はもちろん、挑戦する学生を全力で応援します。自分らしい「芯」を持って社会に羽ばたく、その成長を一緒にサポートしたいと考えています。