Teacher教員紹介

教授 (Akihito Ozawa) 生産環境経営学部

  • 学位

    博士(農学)

  • 主な授業科目

    環境保全型農林業論、植物保護(短大部)、企業実習、経営実習ⅠⅡ、経営分析演習ⅠⅡ、プロジェクト研究

  • 所属学会等

    日本応用動物昆虫学会、日本茶業学会(編集委員)、日本ダニ学会、関東東山病害虫研究会、関西病虫害研究会、農林害虫防除研究会、日本UAS産業振興協議会等 資格:普及指導員、JUIDA認定無人航空機操縦士・安全運航管理者   

試験研究の現場で培った知識と経験を生かし、実践的な理論と技術を身につけるべく指導します

経歴

静岡県掛川市生まれ
1985年 京都大学農学部農林生物学科卒業
1985年 静岡県農業試験場園芸部野菜研究室
1986年 静岡県農業試験場病害虫部発生予察研究室
1990年 静岡県中遠病害虫防除所
1994年 静岡県農業試験場(現・農林技術研究所)病害虫部虫害研究室
2000年 静岡県茶業試験場(現・茶業研究センター)病害虫研究室
2018年 静岡県立農林大学校研究部
2020年 現職

奉職以来、長年にわたって県の試験研究に携わり、現場の病害虫問題に取り組んできました。特に、静岡県特産のチャでの経験が長く、農家や農協、農薬メーカーの方々と一緒に仕事をしてきました。茶農家の方からの病害虫診断依頼や防除相談にも数多く対応してきました。

著書等
博士論文「侵入害虫マメハモグリバエLiriomyza trifolii (Burgess)の発生動態と寄生蜂による生物的防除法に関する研究(2000年、京都大学)」
<主な著書(いずれも分担執筆)>
茶の事典 朝倉書店 2017年
天敵活用大事典 農文協 2016年
天敵利用の基礎と実際 農文協 2016年
茶の機能と科学 朝倉書店 2013年
新改訂版・目で見る茶の病害虫 静岡県茶業会議所 2012年
茶大百科Ⅱ 農文協 2008年
図解 茶生産の最新技術-栽培編- 静岡県茶業会議所 2006年
天敵大事典-生態と利用- 農文協 2004年
外来種ハンドブック 地人書館 2002年
写真で見る農作物病害虫診断ガイドブック 静岡県植物防疫協会 1992年

研究テーマ

農作物病害虫の発生生態と防除に関する研究

近年は、チャ病害虫を対象にした研究に取り組んでいます。茶園に生息する土着天敵類の生物多様性の解明をはじめ、性フェロモンを使った防除技術の開発、土着天敵類に対する農薬の影響評価、侵入害虫チャトゲコナジラミの生態解明と防除技術の開発、外来天敵であるチリカブリダニの茶園での定着を明らかにしてきました。また、ドローン(無人航空機)を使ったチャ病害虫のリモートセンシング技術にも取り組んでいます。

本学には、最新の光学顕微鏡や実体顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)がそろっています。病害虫や天敵には、肉眼では見えにくい非常に小さな生き物が多いのですが、拡大して観察すると、とてもおもしろい姿をしていることがわかりますよ(掲載写真参照)。

受賞歴

2013年11月 The 5th International Conference on O-CHA(Tea) Culture and Science 優秀ポスター賞 (小澤 朗人・ 内山 徹・ 木下 朋美)
2012年3月 静岡県職員 知事表彰「茶の難防除害虫クワシロカイガラムシの環境保全型防除技術」
2008年11月 日本茶業技術協会(現・日本茶業学会)茶業技術賞「クワシロカイガラムシの環境保全型防除技術に関する研究」
2007年11月 The 3rd International Conference on O-CHA(Tea) Culture and Science 優秀ポスター賞

ドローン(無人航空機)、SEM(走査電顕)、統計解析
これらに共通することは何でしょうか?

これらはいずれも、目に見えないものを見えるようにしてしまう魔法のような道具です。
ドローンは、高度1.7m程度にすぎない人間の視点からは到底見ることのできない高度150mまでのマクロの視点を可能にし、SEMは数万倍の拡大により光学顕微鏡でも見ることのできないミクロの世界を可視化し、また、統計解析ではデータに内在する見えない因果関係等を可視化します。

こうした手法を積極的に取り入れ、微力ながら、静岡県農業の発展にむけた手助けをしていきたいと考えています。見えない物を見てみたいという関心のある学生は、遠慮無く声を掛けてください。

Messageメッセージ

農作物の栽培管理では、病害虫対策がとても重要です。病害虫には種類も多く、防除手段も多様で複雑です。しかし、理論を学び、実践的な知識を身につけ、生き物としての病害虫に興味関心を持っていれば、被害を最小限に抑えた上手な管理が可能になります。近年注目されている環境保全型農業についても一緒に学んでいきましょう。