学位
博士(農学)
主な授業科目
植物病理学、環境と農林業
学会等
日本植物病理学会、日本菌学会、日本茶業学会、植物病原菌類談話会(幹事)、関西病虫害研究会、関東東山病害虫研究会、「生態と防除」研究会
研究履歴と研究テーマ
1985年~ 農業試験場南伊豆分場にて、花・観葉植物・伊豆特産野菜の病害虫を担当
1990年~ 柑橘試験場(現:果樹研究センター)にて果樹の病害を担当
1994年~ 中部病害虫防除所で中部・志太榛原地区における病害虫を担当
1996年~ (統合)病害虫防除所で、県内全域の病害虫および農薬行政を担当
2000年~ 農業試験場病害虫部(現:農林技術研究所植物保護科)にて野菜・花・樹木の病害担当
2008年~ 茶業試験場(現:茶業研究センター)にてチャの病害担当
2017年~ 病害虫防除所へ戻り、県内主要農作物の病害および「農作物病害虫防除基準」編集を担当
2020年~ 現職
経歴から分かる様に、これまでに静岡県内のあらゆる農作物を扱ってきたので、農作物に被害を与える病害全般について、原因の究明・発生生態の解明・防除法の開発に取り組んでいます。
なお、植物に病気を起こす微生物(病原体)には、大きく分けて4種類(原生生物、カビ、細菌、ウイルス)があります。この内、カビ(真菌類とか糸状菌と呼ばれることもあります)&細菌(バクテリアとかばい菌・黴菌と呼ばれることもあります)によって生じる植物の病気を主に扱っています。
ライフワークについて:カビの1種であるFusarium(フザリウム)属菌について研究しています。フザリウム菌は農業場面だけでなく、居住環境や海中などあらゆる環境に生息しており膨大な種類が知られていますが、特に「植物病原菌」として著名で、中には農作物に被害を及ぼすだけでなく、毒素を分泌することによって間接的に人畜にも被害を及ぼす種もいます。農作物に対しては、2019年9月の時点で、63科199作物に計293種類の病気を起こすことが知られています。
非常に多くの種類が含まれるので、全体像を把握するだけでも大変ですが、概略について知りたい方は、下記の「総説」を読むことをお勧めします。
*外側正之(2003)「植物防疫」57巻4号pp184-187(土壌病害の見分け方④フザリウム菌による病害)
*外側正之(2005)「植物防疫」59巻10号pp411-414(赤色系フザリウム菌による各種病害および簡易な実験方法)博士論文の内容を一般向けに解説した著作です。
*外側正之(2020)「植物防疫」74巻3号pp160-166(Fusarium属菌の生態・病原性・実験方法と分類に関する近年の状況)
微生物に対する正しい知識を身につけ、農作物を加害する病原微生物について学んで行きましょう。併せて、化学農薬をはじめとする各種防除技術についてもメリット・デメリットをきちんと把握し、適切な使い方が出来るようにしましょう。